ディールメーカー:ネゴ(交渉)上手になるにはどうすればいいのか?

人生はネゴ次第で、バラ色にも灰色にもなりますが、ネゴを有利に進めるにはどうすればいいのでしょうか?ネゴ上手になれば、例えば、就職や買い物等の場面で、自分に好都合の結果を得ることができます。不細工でも美しい彼女を持てるかもしれないし、高い買い物も極限まで値引けます。全ては交渉次第(口八丁手八丁)だということのようです。

気が弱いとカモられる

When someone offers a free sample, it’s not really free. It comes with the implied expectation that if a person accepts it, he or she will feel obligated to return the favor and eventually pay for the full product. That’s just one of the many insights psychology has uncovered about the subtle mechanics of persuasion and how people can recognize and respond to attempts to influence their behavior.

誰かが無料サンプルを勧める時、それは、実際にはタダではなく、もし、サンプルを提供された人がそれを受け取った場合、その人は、見返りとして本品を買う義務を負っているように感じるだろうといった、暗黙の期待が付いてきます。そういったことは、心理学が、巧妙な説得のやり方や、人々が、自分達の行動に影響を与えようとする試みを、どうやって見抜いて対応し得るのかを明らかにしてくれている、数多く存在する洞察の1つに過ぎません。

ケーキ屋で試供品を勧められて、数種類食べた後で、店員が一生懸命おすすめ商品を売り込む姿を見ると、買わないと悪いかなと思ってしまい、特に、店員が数人がかりで必至に売り込もうとしている時などは、強力なプレッシャーに負けて、買わざるを得ない状況に追い込まれてしまう時が多々あります。ネゴ上手な人は、こういった状況下では、限界まで商品を値引きするように交渉し、交渉が破談した場合は、ならイラネと言って、その場を立ち去ります。しかしながら、気弱な人間は、ネゴどころか、断る事さえできずに定価で買ってしまいます。

説得は芸術ではなく科学

“Persuasion is no longer just an art, it’s an out-and-out science,” said Robert Cialdini, professor emeritus of psychology and marketing at Arizona State University, speaking at the 125th Annual Convention of the American Psychological Association. “Indeed, a vast body of scientific evidence now exists on how, when and why people say yes to influence attempts.”

”説得は、もはや、ただのアートなどではなく、純然たる科学です。”と、アリゾナ州立大学心理学・マーケティング名誉教授ロバート・チャルディーニ氏は、第125回アメリカ心理学会年次大会のスピーチで語りました。”実際に、人々が、説得試みに対し、どうして、いつ、何故、はいと言ってしまうのかに関する、多くの科学的論拠が、現在は存在しています。”

“Advertising is fundamentally persuasion and persuasion happens to be not a science, but an art (広告は基本的に説得で説得は科学ではなく芸術です。)” – William Bernbach

ウィリアム・バーンバック氏は、説得は科学ではなく、アート(芸術、技法、技術)と言っています。ドナルド・トランプ大統領は自伝、The Art of the Deal(取引の技法、取引の技術、商売のコツ、取引の芸術、交渉術、商売取引の極意)の中で、取引を有利に進める交渉術の大切さを説いています。交渉術=説得力であり、説得が、芸術(感性)ではなく、科学(方法論)だとしたならば、感性がない人間でも、説得力を身に着けることができるということになります。

人を動かす交渉術

Considered by many to be the expert in understanding social influence, Cialdini has conducted decades of research to formulate his six universal principles of influence.

多くの人々が、社会的影響を理解する専門家と考えているチャルディーニ氏は、影響力に関する6つの普遍原理を系統化するために、数十年に及ぶリサーチを行っています。

チャルディーニ氏は、影響力の武器: なぜ、人は動かされるのか、という本の中で、この6つの普遍原理を説いています。結構ためになる面白い本なので一読の価値はあります。

この世には、人を動かすための、多種多様な交渉術が存在しています。例えば、学生時代に多くの人々が、クラスの好きな子に振り向いてもらいたくて、色々な策を練った記憶があるかと思いますが、よくある手が、偶然出会った作戦ではなかったでしょうか。実際はずーっと待っていたわけですが、さも偶然出会ったふりをして、そこから交渉が始まり、最終的に何とか初デートに漕ぎ着けることを目的とした、かなり高度な交渉手法です。

交渉上手になるには?

交渉上手になるには、勉強が必要です。上記のような本を読んだり、心理学を学んだり、人間行動学的見地から物事を考える習慣をつけたりして、先ずは、身近な家族や親族に対して学んだ交渉術を使ってみることです。小遣い値上げ交渉や、欲しい物を買ってもらったり、久しぶりだと言って奢ってもらったり、そういった所から始めるのが無難です。交渉に至る過程が非常に重要なので、そこも注意する必要があります。その後は、店で値引交渉したり、対面交渉がプレッシャーな場合は、電話であれこれ交渉してみたり、そうやってどんどん交渉術を磨いていけば、やがて人生が確実に良い方向に変わっていくはずです。もちろん、そういうことができる外交的な人間ばかりではないので、内向的な人は、外交的になる必要があります。

ネゴ術の中にはゴネもあります。ゴネることも、時として立派な戦術になります。世の中にはゴネ得という言葉が存在するように、ゴネてみるのもいいかもしれませんが、やり過ぎると思わぬ弊害を招くので、引き際を間違えないようにしましょう。コネも必要で、例えば、保険外交員なんかは、縁故をたどって交渉まで漕ぎ着けます。赤の他人と交渉するよりも、コネに頼ることで、交渉を有利に進められるからです。これも、つてが無くなればアウトなので、あまり得策であるとは言えません。やはり口八丁手八丁で、当たって砕けるしかありません。

ネゴ上手になるには、習ったり倣ったりして方法論を学んだ後は、習うより慣れろで、どんどん実践していくしかありません。交渉には、男は度胸、女は愛嬌が必要であると言われているので、男なら、とにかく、交渉を切り出す勇気、あるいは断る勇気を持ちましょう。

参考サイトUnderstanding how persuasion works can make consumers more savvy