実用的な汎用量子コンピュータが実際にやれる事とは何なのか?

昨今の量子技術の急速な進歩に伴い、人類は、スーパーコンピュータ(スパコン)の計算能力を遥かに上回る、量子デバイスの閾値にどんどん近付いています。しかし、実用的な、拡張性のある多目的量子コンピュータが完成した暁には、それはどんな問題を解くのでしょうか?

量子コンピューターが、従来の古典的なアプローチに対する、明らかな性能向上を提供する分野の特定に向け、多くの研究がこれまで行われてきました。多くの研究者は、量子コンピューターが、いつの日か、化学と材料科学に革命をもたらすのではないかと考えていて、量子計算機が持つと思われる、分子や物質の特質を予測する能力が、この結論に見事に適合します。

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量子コンピュータの使用事例

What problems will we solve with a quantum computer? – Microsoft Research

However, a number of important questions remain. Not the least of these is the question of how exactly to use a quantum computer to solve an important problem in chemistry. The inability to point to a clear use case complete with resource and cost estimates is a major drawback. After all, even an exponential speedup may not lead to a useful algorithm if a typical, practical application requires an amount of time and memory that is beyond the reach of even a quantum computer.

しかし、多くの重要な疑問が残っていて、中でも些細とは言えない疑問が、化学分野における重要な問題を解くのに、量子コンピュータをどう具体的に使うのかという疑問です。リソースとコストの見積もり付きの、明確な使用事例を提示できない事が、大きな障害になってしまっています。結局のところ、もし、標準的かつ実用的なアプリケーションが、量子コンピュータでさえも手の届かない、時間と記憶容量を要求するとしたら、指数関数的なスピードアップを以ってしても、実用的なアルゴリズムにはつながらない可能性があります。

ニトロゲナーゼ解析

Our paper published earlier this week at the Proceedings of the National Academy of Sciences confirms the feasibility of such a practical application, showing that a quantum computer can be employed to reveal reaction mechanisms in complex chemical systems, using the open problem of biological nitrogen fixation in nitrogenase as an example.

全米科学アカデミーの議事録に、今週初めに掲載された我々の論文が、そういった実用的なアプリケーションの実行可能性を裏付け、量子計算機が、例として、ニトロゲナーゼにおける生物窒素固定のオープン問題を使うような、複雑な化学系の反応メカニズムを明らかにするのに活用可能なことを示唆しています。

現在、我々は、肥料を生産するために、世界の総エネルギー消費量の約3%を消費していて、この肥料生産は、必要な反応ガスを得るのに、非常に大量の天然ガスを使う、非常に著しくエネルギー集約型の、1900年代初期に開発されたプロセスに未だに頼っています。しかし、植物の根の中に生息する、微小な嫌気性細菌が、この同じプロセスを、毎日、特定分子(ニトロゲナーゼ)を使って、非常に低いエネルギーコストで行っていることを、我々は知っています。

この分子を解析することは、現在最大のスパコンの能力を以ってしても不可能ですが、中程度規模の量子コンピュータなら解析可能範囲です。(地球の温暖化に対処するために)効率的に炭酸ガスを取り込む事は、同種の問題であると言えます。高温超伝導体(常温超伝導体、室温超伝導体)を探索することは、もう一つの実用例でしょう。

量子コンピューターの可能性

この論文が、この種の必要な計算が、現実的な量子コンピューター上で、妥当な時間で実行可能であることを見い出していて、量子コンピュータが、将来的に、法外なリソースを要求することなしに、化学分野における重要な問題に対処可能な事を証明しています。本論文は、私たちに、量子シミュレーションが、科学的・経済的インパクトを与える、途方もない可能性を秘めた問題に対する答えを提供可能な事に、さらなる確信を与えてくれてもいます。

マイクロソフトは、トポロジカル量子コンピュータ開発に躍起になっています。グーグルも量子コンピュータ開発に邁進中だし、IBMは、汎用量子コンピュータクラウド提供を既に発表しているし、アメリカが相変わらず強いみたいな感じですが、EU、ロシア、中国、カナダ、オーストラリアなんかも、量子コンピュータ開発に本気で取り組んでいるので、どこの国が、一番最初に、実用的な汎用量子コンピュータを開発するのか楽しみでもあります。

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