腸内善玉菌が炎症性大腸炎や大腸癌の予防や治療をしてくれる

大腸癌(CRC)予防と治療に対する革新的なアプローチにおいて、研究者達は、腸管炎症やCRCに罹りやすい患者の不足代謝物を置き換える方法を研究しています。The American Journal of Pathologyに掲載された新しい研究は、ヒスチジンデカルボキシラーゼ欠損マウスに対するヒスタミン産生腸内細菌投与が、炎症と腫瘍形成を減少させることを示しています。これらの結果が、善玉菌を使った腸内細菌叢の改善が、炎症性大腸炎(IBD)とそれに関連したCRCリスク患者に対する、新しい予防戦略もしくは治療戦略になる可能性を秘めていることを示唆しています。

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善玉菌が大腸癌を予防する

New research on probiotics in the prevention and treatment of colon cancer

Researchers conducted a series of experiments using mice that were deficient in HDC, the enzyme required to convert histidine to histamine. Experimental mice were orally administered the probiotic Lactobacillus reuteri 6475, which is known to possess the histidine decarboxylase gene (hdc+) and is able to convert histidine to histamine; control animals received a placebo. The probiotic was administered both before and after the mice received a single dose of a colonic carcinogen (azoxymethane) plus an inflammation-inducing chemical (DSS) to induce tumor formation. Fifteen weeks later, the mice were sacrificed and the tissues removed for study.

研究者達は、ヒスチジンをヒスタミンに変換するのに必要な酵素のHDCが欠損したマウスを使って一連の実験を行いました。実験用マウスは、ヒスチジンデカルボキシラーゼ遺伝子(hdc+)を有していることが知られていて、ヒスチジンをヒスタミンに変換できる善玉菌のラクトバチルス・ロイテリ菌6475を経口投与され、対照マウスはプラシーボを投与されました。善玉菌は、マウスへの、腫瘍形成誘発を目的とした、大腸発がん物質(アゾキシメタン)と大腸起炎物質(DSS)の単回投与の前後で投与されました。15週間後、マウスは、研究用に大腸を除去されました。

The probiotic increased expression of bacterial HDC and amounts of histamine in the colons of the mice. Using positron emission tomography (PET) to visualize the tumors, control-treated mice showed evidence of tumors and increased glucose uptake in colon walls. In contrast, mice administered the probiotic had fewer and smaller tumors and significantly diminished areas of glucose uptake.

善玉菌は、細菌性HDCの発現とマウスの大腸のヒスタミン量を増やしました。PETを使って腫瘍を視覚化したところ、対照-処置マウスは、腫瘍の兆候と大腸壁のグルコース取り込みの増加を示していました。その一方で、善玉菌を投与されたマウスは、ごく僅かの小さな腫瘍を持ち、グルコース取り込み領域も有意に減少していました。

“Our results suggest a significant role for histamine in the suppression of chronic intestinal inflammation and colorectal tumorigenesis. We have also shown that cells, both microbial and mammalian, can share metabolites or chemical compounds that together promote human health and prevent disease,” said Dr. Versalovic.

”我々の研究結果が、慢性腸炎と大腸腫瘍形成の抑制における、ヒスタミンの重要な役割を示唆しています。我々は、細菌・哺乳類の両細胞が、連携して、人の健康を増進したり、疾患を予防する代謝物もしくは化合物を共有できることをも示しています。”

善玉菌なら何でも良いというわけではなく、ヒスタミン産生細菌の摂取が必須のようです。ラクトバチルス・ロイテリ6475という株の善玉菌が、大腸癌の予防に効果があるらしいので、将来的にこの菌株を含むサプリが登場するのかもしれません。大腸癌の多い日本の女性にとっては、そういったサプリが出てくることは朗報と言えます。何れにせよ、善玉菌の摂取は、腸の健康維持には絶対不可欠なので、ヨーグルトや食物繊維を多く含む食品、オリゴ糖なんかの日常摂取は欠かせません。

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