日本の自動車メーカーのアメリカへの貢献度が凄い

日本の自動車メーカーと言えば、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバル、スズキ、いすゞが有名どころだが、トヨタは今や販売台数世界一(3年連続1000万台突破)の自動車会社でもある。トランプが日本の自動車メーカーを好ましく思っていないのは、アメリカ国内が日本車だらけなのに対し、日本ではアメリカ車をほとんど見かけないことが原因となっている。トランプはアメリカの自由貿易に対し、日本の保護貿易に問題があると指摘している。つまり不平等貿易がアメリカの自動車産業を弱体化させたという理論である。自動車に関しては実際はアメリカの方が保護貿易なのだが、日本は法規制と商慣行が特異なため、日本での自動車販売は至難の業と海外から批判を受けていることも確かだが、どこの国もその国独自の規制と商慣行が存在するのは当たり前なので、その批判は見当違いという意見もある。2015年度の輸入車販売台数は28万台(逆輸入は除く)だったので、軽を除いた国内新車販売台数の1割にも満たない事を考えると、日本国内における輸入車販売の壁は相当高いと言わざるを得ないだろう。最もその障壁が規制や商慣行によるものなのか、ただ単に日本人の嗜好の問題なのかは議論が分かれるところかと思われる。

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日本の自動車メーカーの海外進出

日本はプラザ合意以降、ルーブル合意によるドル安歯止めの失敗を経て、1ドル240円から120円という猛烈な円高を経験している。製造業は円高対策として国内生産から海外生産に切り替えざるを得なくなる。90年代に入ると円高がさらに進み、マツダがフォード傘下、日産がルノー傘下に入り、日本の自動車産業は生き残りを賭けて海外へ活路を求めて行った。それが功を奏し日本の自動車産業は見事な大復活を遂げたのである。マツダはフォードから独立し、日産もいつでも独立できる状況にはある。しかし、産業の空洞化という代償を日本人は支払わされたことになり、日本の自動車産業の復活は必ずしも手放しで喜べない状況にある。アメリカだけを見ても、日本の自動車企業はこれまでに累計5兆円近い巨費を投じているだけでなく、46万人もの雇用を創出している。
Japanese-brand Automakers’ Total Investment in America Tops $45 Billion

“For the first time in history, more than 75 percent of Japanese-brand vehicles sold in the U.S. are made in North America—this proves that our members’ commitment to manufacturing in America remains as strong as ever,”

「今や、アメリカで売られる日本車の4分の3以上が北米で生産されています。この事が我々のメンバー達の現地生産へのコミットメントがこれまでと全く変わらずに強いままであることを証明しています。」

今やアメリカで走っている日本車の大部分が北米製(カナダやメキシコも含む)なのである。使われている部品の多くも北米製であることを考えれば、トランプの日本車への批判がいかに見当違いで的外れかがよく分かるはずだ。まぁ、トランプのことだから、アメリカで販売する日本車は部品も含めて全てアメリカで製造しろとか言い出すかもしれない。日本の自動車メーカーが北米での現地生産を増やすということは、日本の北米への輸出が減るという副作用がある。日本製の自動車部品はアメリカ企業も使うので、その点はまだ救われているが、来年以降はかなり厳しい状況に追い込まれることになるだろう。とにかく日本人にとっては、日本の製造業の海外進出は国内の雇用を奪うだけでなく、巨額の設備投資喪失という二重苦になる。この事が失われた20年の原因の一つになっていることは言うまでもない。円安誘導は製造業の国内回帰、設備投資、国内雇用を促進させる目的もあるのだが、それは裏を返せば、世界経済の足枷になる事も覚えておいた方がいいだろう。歴史的な超円安で輸出業がいくら潤っても、若年層の貧困化と超少子化で国内需要は減り続ける一方なので、日本企業は海外投資して海外での需要を増やした方がいいのかもしれない。そういう意味でも今のような超円安よりも、適度な円高の方が今の疲弊しきった日本経済には合っている。