アメリカ大統領選挙 サンダースの生命線は失業者の政治献金!?

アメリカ大統領選挙、共和党は既にトランプが代表候補の座を勝ち取っているのですが、一方の民主党の方はと言うと、バーニー・サンダースが早々に、7月25日~28日にフィラデルフィアで開催される民主党党大会における”contested convention”を宣言しているので、民主党員の多くが1968年の再来を懸念しています。1968年のchicago convention (シカゴ党大会)で起きたような混乱が勃発した場合、トランプ大統領誕生が確実になってしまうからです。サンダース陣営の筋書きは非常に単純明快で、党大会までの間にヒラリー・クリントンが起訴されれば、ヒラリー支持を既に表明しているsuperdelegates (幹部代議員)が、ヒラリーを見限ってサンダース支持に回るだろうという皮算用になっています。サンダースは全てのカードを幹部代議員票の土壇場でのflip-flopに賭けているということになります。

サンダース勝利は有り得るのか?

オバマ政権がヒラリー・クリントンをindict (起訴する)とか有り得ないと言われています。多くの識者が口を揃えて”It’s not gonna happen.”と言っています。オバマ大統領にはヒラリーを全力で守る以外の選択肢が存在しません。オバマ大統領にとっては、ヒラリーを大統領にすることが彼のlegacy (功績)を守る唯一の手段だからです。トランプが大統領になればオバマが築き上げた功績が全て破壊されることは見に見えています。しかし、例えヒラリーが起訴されなかったとしても、多くの民主党員がヒラリーのことを”damaged goods”(傷物)と見ているのも事実なので、サンダースが言っている党大会で何が起こるかは誰にも分からないという議論も正当性を持つかもしれません。ニュージャージー州での勝利確定後に(日本時間の水曜日の昼前ぐらい)、ヒラリーはブルックリンで大々的な勝利宣言をすると予想されています(Here’s where Hillary Clinton is giving her nomination victory speech on Tuesday night)。しかし、ヒラリーが勝利宣言をしてもバーニーは党大会終了まで戦い続けることを宣言しています(Bernie Sanders Vows Fight to Convention as Hillary Clinton Wins a Primary)。サンダースの戦いはwishful thinking (希望的観測)に基づいた空虚なものなのかもしれませんが、74歳のサンダースにとっては失う物が何もないので、After me, the deluge (後は野となれ山となれ)的思考になったとしても無理はありません。それが例えトランプ大統領誕生を猛烈に後押しする結果になったとしても。

誰がサンダースを支えているのか?

バーニー・サンダースがsmall donors (個人献金)に支えられていることは有名ですが、サンダースを支える個人献金者達の実態は今まで謎でした。サンダース支持者達の実体が明らかになったというニュース記事が有りました。Who Has Donated The Most Money To Bernie Sanders: The Unemployed

and since donors who give $200 or less don’t have to have names publicized, little has been known about the donors. More than 1 million small-donor contributors gave nearly two-thirds of Sanders’ funding.

「200ドル以下の個人献金者の名前は公表されないので、献金者達の実体は不明でした。100万人を超える小規模献金者がサンダースの選挙運動資金の3分の1近くを賄っています。」

However, since Sanders relies on a fundraising tool called ActBlue, all donors must be disclosed regardless of the size of contribution. This has allowed the LA Times to perform an analysis on the donors behind the man who has given (and continues to give) Hillary Clinton so much trouble, and the result is stunning.

「しかし、サンダースはActBlueと呼ばれる募金ツールを使っているので、募金額に限らず全ての募金者は公にさらなければなりません。この事が、ロサンゼルスタイムズにヒラリー・クリントンを苦しめる対抗馬に資金を供給し続けている献金者を分析する機会を与えたのです。そしてその結果は驚くべきものとなっています。」

Out of the $209 million given to the senator’s campaign, about one out of every four dollars came from those not in the workforce, who include the unemployed or retired.

「サンダースの政治運動を支えている2億ドル(220億円)のうち、その4分の1が失業者や退職者を含む無業者による献金だったのです。」

So in an interesting if not incredibly ironic turn of events, Sanders is financing his campaign primarily through the government – and we have now come full circle.

「あまりの皮肉というか、非常に興味深い事態の展開は、サンダースが主として政府経由で彼の政治運動の資金繰りをしているということで、我々(納税者)が一丸となってサンダースを支えているのです。」

納税者が払う税金で養われている人々が、上院議員でもあるサンダースに政治資金を供給しているという事実は、(政府が失業者に流した)税金がサンダースの政治資金になっていることを意味し、それはつまり、納税者全てがサンダースを支えていると言っても過言ではないということです。とは言っても220億円の選挙資金の50億円程度が失業者による政治献金だとしても、額的には大した額ではないとも言えるので、納税者が彼の政治運動を支援しているとは、とても言えないような気もします。

サンダースの狙いは副大統領?

サンダースの狙いが副大統領の椅子にあるとも噂されています(Sanders doesn’t rule out serving as Hillary Clinton’s vice president if he loses the Democratic nomination: ‘That’s a subject for further discussion’)。最終的にヒラリーはサンダースを副大統領候補に選ばなければならなくなるだろうと指摘されてもいますが、そうなった場合、トランプはかなりの苦戦を強いられることになりそうです。ヒラリー/ サンダースとトランプ/ペイリンになりそうだと思っていたのですが、サラ・ペイリンが”Palin Rules”という新しい法廷テレビ番組を製作中らしいので、その可能性はほぼ消滅したと言えます(Sarah Palin’s Courtroom TV Show Is Going Ahead, Further Proof America Is Doomed)。ヒラリー・クリントンがサンダースを副大統領候補にするかどうかすら分かりませんが、何れにしても、ヒラリーがサンダース支持者の票なしに大統領になれないことだけは確かです。ヒラリーにとってはまさに’Bernie or Bust‘であり、’Feel the Bern‘というわけです。