サウジアラビアは1973年のような石油危機は引き起こせない

リベラルメディア、ネオコン、民主党がサウジアラビアへの厳しい対処をトランプ大統領に要求している。一方、サウジアラビアは既に他国が内政干渉した場合、世界経済を破壊すると警告をしている。一部のメディアは、サウジアラビアにもはやそんな力はないと言っている(An oil threat, but Saudi Arabia less fearsome than it used to be)。しかし、この記事を見てみると、サウジのoil embargo(原油禁輸)があたかもアメリカだけに課せられ、さらに、サウジの禁輸分は他の産油国で十分賄えると嘯いている。イランに対する経済制裁による1日150万バレルの原油を賄うだけでも、世界はサウジの原油に頼らざるを得ない状況で、1日1250万バレルを産出するサウジの原油の3分の1の400万バレルが市場から消えたらパニックになるのは馬鹿でも分かる。他の産油国が増産するにはかなりの時間を要するし、しかも、産油国は原油が高騰した方がいいだろうから増産に応じる保証もない。しかしながら、この記事”Threat of sanctions against Saudi Arabia hang in the air over Jamal Khashoggi disappearance”によると、サウジが禁輸措置に走った場合、世界は制裁に関係なくイランから原油を買うだろうと予測している。サウジの禁輸分はイランの増産で賄えるらしい。

仮に、原油価格が1バレル200ドルになれば、サウジアラビアの警告通り世界経済は破壊されるだろう。しかし、世界経済というのは皮肉なもので、世界同時不況により原油の需要が激減すれば原油価格は暴落するので、結局はサウジアラビアは”shooting themselves in the foot(墓穴を掘る)”ことになる。まぁ、サウジアラビアとしては、王子のメンツを守るためならそんなことはサラサラ気にしないだろうが。

トランプ大統領は非常に苛立っている。というのも、中間選挙を前に原油価格が上昇を続け、それに連動してガソリン価格も上昇しているからだ。ガソリン価格は選挙戦に大きくマイナスに働くので、選挙前になるべく事を大袈裟にしたくないトランプ大統領が苛立つのも当然だ。リベラルメディアと民主党は、トランプ大統領のこの賢明な判断に対し、サウジとの金銭関係を疑っている。トランプ政権がサウジに制裁を課せば、リベラルが愛して止まない低所得者層が、原油価格の暴騰で経済的に追い込まれることは意に介さないように見える。少なくとも、トランプ大統領の冷静さが救いだが、議会が勝手に動く可能性もあるので、サウジ問題は予断を許さない状況だ。

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