低所得者層ほどエンゲル係数が高いことは周知の事実となっています。可処分所得に占める彼等の食費の割合は高くても、そもそも所得が少ないことから、食費に使えるお金は少ないので食べるにも困る状態にあるはずです。従って、常識的に考えれば、低所得者層ほど痩せているということになります。さらに、低所得者は、世間一般的に、食事も食べる暇もないほど一日中働き詰めのはずなので、痩せていないとむしろおかしいという話になります。
金持ちほど痩せている不思議
この記事”Relationship between low income and obesity is relatively new, says study“の趣旨は、以下の一文に集約されているかと思われます。
“The fact that rich people are now the skinny ones is the opposite to what has been true in most cultures for most of the time,” he said.
「金持ちほど痩せているという事実は、通常、ほとんどの文化で真実であること(金持ちほど肥満体型)と逆を行っています。」
金持ちほど太っていて貧乏人ほど痩せているという現象は、飢饉で苦しんでいる国の庶民がガリガリに痩せているのに、指導層に肥満体型が多いことを見れば一目瞭然のはずです。しかしながら、先進国を見てみると、富裕層だからと言って必ずしも太っている人が多いとは限らなくなっています。健康的な生活を送っているから富裕層とも言えるだろうし、食うたら寝の怠惰な人間だからデブで底辺に喘いでいるとも言えます。先進国の場合、社会的地位に関係なく、手間暇かければ安価で健康的な料理はいくらでも作れます。怠惰な人間というのは、その手間暇を惜しんでそのまま食べられるジャンクフードやファストフードを食べる傾向が著しく高く、さらに、怠惰故にあまり動かないので太るというのが正解で、金が無いから健康的な食事ができないというのは言い訳でしかありません。特にアメリカは日本より物価が比較にならない程安い上に、低所得者層にはさまざまなセーフティーネットが用意されているので、経済的な理由を肥満と結びつけるのはあまりにも無理が有り過ぎます。
異性化糖の大量摂取が肥満の原因
実際には、この記事では、過去のhigh-fructose corn syrup(異性化糖)の乱用が現在のobesity epidemic(肥満の蔓延)の原因としています。異性化糖というのはブドウ糖果糖液糖のことで、日本の食品にも広く使われている添加物です。確かに、日本においても添加物だらけの食品は安く、逆に、無添加・天然を謳った食品は高額なことが多いので、この点から見れば食の経済格差はあるのかもしれませんが、とは言っても、例えば、比較的安価で食物繊維が豊富な根菜類を主食にするとか、豆腐や納豆、こんにゃく、もやし、きのこ類の安価な食材を多用することで食費を浮かせつつ健康的な食事を取ることも可能です。お金が無くても手間を惜しまなければ健康的な食事は作れます。