leakerとwhistle-blowerに違いはあるのか?hoaxblowerとは何なのか?トランプ大統領の弾劾公聴会に対し、保守系サイトで、hoaxblower, shampeachmentという英単語がトレンドになっています。こんな単語はそもそも覚える必要もないのですが、気になったので色々と調べてみることにしました。
leakerとwhistle-blowerの意味・違い・使い分け方
例えば、情報をリークすると聞くと、情報漏えいが頭に浮かぶはずです。リークには漏れるという意味があるので、leakerだと情報漏洩者になります。この言葉にはあまり良い印象がないのではないでしょうか。一方のwhistle-blowerも情報漏えい者の一種であるにもかかわらず、こちらは、内部告発者という立派な肩書きが与えられています。巷では、leaker=悪、whistle-blower=善という等式が成立しています。しかし、実際には、whistle-blowerも情報漏洩者なので、情報を漏洩される側に取ったらたまったもんじゃありません。ただ、whistleblowerが漏洩する情報は、消費者や有権者に有益な情報だと信じられているので、あたかも英雄のように扱われるようです。この2つの英単語がニュース記事の中でどのように使われているのか。先ずは、whistlebloweから見て行きます。
Some Trump loyalists reportedly think they know the identity. The POTUS himself seems to think he knows, and knows that the whistleblower is a “never Trumper,” which he seems to think proves that any information coming from such sub-humans is tainted and should be ignored.
一部の熱狂的トランプ支持者は、その内部密告者の身元を知っていると考えていると伝えられています。 トランプ大統領自身も内部密告者の身元と、彼が反トランプ集団の一員であることを知っていると思っているように見え、そのことが、そのような人にも劣る輩から発した情報は信憑性がなく無視されてしかるべきであることを証明していると思っているように見えます。
POTUS = President of the United States (アメリカ大統領)
FLOTUS = First Lady of the United States (アメリカ大統領夫人)
SCOTUS = Supreme Court of the United States (アメリカ連邦最高裁)
RealClearPoliticsによると、この内部密告者はCIAエージェントのEric Ciaramellaであるとされていますが、テレビでこの名前を公表することは固く禁じられているようです。米リベラルメディアの情報統制も遂にここまで来たかという感じがします。もし、仮にこの名前をテレビで公言した場合、公表者は即座に解雇されると伝えられています。この場合のwhistleblowerは、truth tellerとしてリベラルからは英雄扱いされています。次にleakerの使われ方を見てみます。
One thing I can pretty much guarantee: The “leaker” will not be on the Senate floor to serve as Trump’s “accuser.”
1つ確証できることは、そのリーカー(情報漏洩者)がトランプの告発者として、上院での裁判に召喚されることはないということです。
これは、密告者が民主党の証人としてsubpoena(召喚)されることは絶対にないということを言っています。逆に、この密告者が共和党の証人として召喚されることは確実なので、召喚に応じた場合は彼の身元が晒されることを意味します。ここで何故whistleblowerではなくleakerが使われているかいうと、共和党がコントロールする上院においては、この内部告発者は情報漏洩者になるからです。この密告者は保守派からはleaker, traitor, hoaxblowerとして叩かれまくっているので、今回のケースのwhistleblowerとleakerの違いは、情報の受け取り手がリベラルか保守派の違いであることが分かります。whistleblowerとleakerの違いは紙一重とも言えるでしょう。
shampeachmentとhoaxblowerの意味
shampeachmentとhoaxblowerについては、それ程メジャーな造語ではないので特に覚える必要はないのですが、知っておいても別に損はないだろうということで一応載せておきます。shampeachmentは、shamとimpeachmentを掛け合わせたもので、今回の民主党によるトランプ弾劾はでっち上げであるということを意味しています。つまり、shampeachment = fake impeachmentということになります。hoaxblowerは、whistleをhoaxに変えることで、今回の内部密告者の告発がhoax(でっち上げ)であることを意味しています。このニュース記事にshampeachmentという単語が載っています。
“I’m running to partner with President Trump and stand against Pelosi, AOC (Rep. Alexandria Ocasio-Cortez, D-N.Y.) and their socialist agenda,” he said in an email. “The radical Left are only pushing a shampeachment to distract from their own failed liberal policies.”
私はトランプ大統領とパートナーを組んで、ペロシとAOC(アレクサンドリア・オカシオ・コルテス)と彼らの社会主義政策に立ち向かっています。」と彼はメールに綴った。 「急進左派は、自分達の破綻した自由主義政策から有権者の目を背けるだけのためにでっち上げ弾劾をプッシュしています。」
この場合のrunning to ~は、〜するために出馬している、もしくは、選挙戦を戦っているという意味ですが、トランプ大統領とタッグを組んで社会主義者に立ち向かっているだけでも十分意味が通ります。shampeachmentという単語が市民権を勝ち取る日も近いかもしれません。
CI(confidential informant)とsnitchの違い
CI(confidential informant)とsnitchの違いも、whistleblowerとleakerの違いに良く似ているので載せておきます。confidential informantとは、アメリカの刑事ドラマで良く出てくる言葉で、秘密情報提供者という訳が与えられています。ドラマの中では、刑事にお金で情報を提供する情報屋(タレコミ屋)ですが、内部情報を密告される側からしてみればsnitch(密告者)ということになります。whistleblowerがCIだとすれば、snitchはleakerということになります。つい先日、アメリカの刑事ドラマで、”I ain’t no snitch.”という台詞を耳にしました。これは、I am not a snitch., I am no snitchのことらしいのですが、この場合のain’tがam notだということを考えると、I am not no snitch.と二重否定になって、私はスニッチです。と言っていることになるのですが、実際には、ain’t no = am not, am noとなるようです。ain’tで有名なフレーズと言えば、Say, it ain’t so! うそって言ってくれよ!です。