ほとんどのNATO加盟国が、露烏戦争の対話による早期停戦を考えてはいないように見えます。ウクライナも武器をもっとくれとNATOに要求するだけで対話による解決を本気で考えているようには見えません。つまり、ロシアがウクライナ領内から完全撤退するまで戦争が続く可能性があるということになります。
ロシアの戦争継続能力
ドンバス戦争は8年続いていますが、ウクライナ戦争は数か月~数年続く可能性があると言われています。しかしながら、ロシア経済は西側の厳しさを増し続ける過酷な経済制裁により1年以内に崩壊するだろうと予想されているので、戦争の継続はロシアにとってかなり難しくなってくると思われます。深刻な半導体不足により兵器生産にも支障をきたしている状態なので、ロシアの戦争継続能力に疑問が持たれています。プーチン氏の唯一の拠り所である肝心の中国が、西側の恫喝に屈してロシア支援に及び腰になってしまったのが最大の誤算だったと言えます。
露烏戦争が泥沼化した場合
例えば、ウクライナ戦争がこのまま数か月続いてしまった場合、世界経済への影響はより深刻なものになってくると思われます。食糧危機や食料価格の高騰だけではなく、例えば、プーチン氏がイランに中東の油田地帯を攻撃させた場合、エネルギー価格の高騰は避けられません。ウクライナ戦争が長引けば長引くほど、今まで考えもしなかったことが起こる可能性があるということを西側首脳陣は念頭に置く必要があります。プーチン氏が北朝鮮を焚きつける可能性もあります。プーチン氏が手持ちの駒であるイランと北朝鮮をどう使ってくるかが気掛かりです。ウクライナにおける戦争が他の地域にも飛び火するということも十分有り得るのです。一つ確実に言えることは、戦争が長引けば世界経済もただでは済まないということです。
参考サイト
No Money, No Economy, No Invasion: US’ Starve Russia’s “War Machine” Plan