ロシア軍は、イジュームのウクライナ軍防衛ラインで足踏みを続け、セベロドネツクでもウクライナ軍の防衛ラインを抜けることができない状態が続いています。ドネツク州第二の都市であるマリウポリが落ちれば、ドネツク方面からクラマトルスクへ向け進撃を開始するだろうと思われます。
ウクライナ軍は東部戦線で大反抗を計画している
ウクライナ軍は、イジューム周辺でロシア軍を消耗させた後で、大規模な反抗作戦を開始するつもりでいるようです。ロシア軍は、ウクライナ東部軍集団の殲滅作戦を遂行中ですが、ウクライナ軍は、ドンバスのロシア軍を殲滅する計画を着々と進めているらしいのですが、これがプロパガンダなのかどうかは分かりません。ハルキウ州知事のオレグ・シネグボフ氏が以下のように述べています。
Ukraine has enough forces in the Kharkiv region to drive the Russian troops out, but this will happen when an all-out counteroffensive can begin
ウクライナ軍は、ハリコフ州から露軍を駆逐するのに十分な戦力を有しているが、これは、大反抗作戦が始るまでお預けです。
氏によると、ウクライナ軍は、先に露軍に頑強な防衛ラインを攻めさせて、敵が消耗しきったところで、ヘルソンからハリコフに渡る全戦線で一気に反撃に出るとのことです。これは、ソ連軍がクルスク戦で採用した作戦と同じで、一方のロシア軍は、ドイツ軍が採った挟撃作戦を展開しているのが、あまりにも皮肉であるとしか言いようがありません。
ウクライナ軍の大攻勢
シネグボフ氏の発言がプロパガンダでないとすれば、ロシア軍は、相当危険な状況に追い込まれることになります。ウクライナ軍の大攻勢により、ロシア軍戦線は各地で寸断され、そこら中に包囲ポケットができ、各個撃破されていくのが目に見えています。キエフ周辺で起こったことが、ヘルソンからハリコフに続く長い戦線で起こることになります。そうなった場合、ウクライナ領内のロシア軍はほぼ殲滅されるだろうし、クリミアとドンバスをウクライナ軍が奪回するのも時間の問題になります。この戦いは、NATO対ロシアと言ってもいいくらいにNATOがウクライナを全面支援しているので、ロシア軍が負けるのも当然と言えば当然の話で、しかしながら、ロシア軍を追い詰めた場合に我々人類が支払わされることになる代償は、相当大きなものになるだろうということは覚悟しておいた方がいいかもしれません。
参考サイト
Kharkiv region governor: Ukraine has enough forces to drive Russian troops out from the region
Russian Offensive Campaign Assessment, April 15