Ted Cruz is a genius after all. クルーズはやっぱり天才

Ted Cruz bets that Trump will lose, and he may be right. クルーズはトランプが敗れることに賭けていて、それは正しいかもしれません。トランプが敗れた場合、クルーズはただ、I told you so. (俺が言った通りだろ)言えばいいだけです。この時点でテッドクルーズは2020年の共和党代表候補に確定します。トランプが勝てば、クルーズのチャンスは8年後に巡ってくるのですが、トランプが再選した場合、副大統領のマイク・ペンスが共和党代表候補に確定しているだろうし、2020年にトランプ大統領が敗れた場合は、2024年にクルーズが代表候補になれる確率は相当低下しています。

クルーズはトランプ支持を表明しませんでしたが、トランプに投票すると宣言しているので、事実上、トランプを支持してはいます。クルーズがトランプ支持を高らかに宣言しなかったのは、トランプが敗れた場合の保険みたいなもんです。

面白いのは、トランプが共和党の代表候補になれる訳がないと、トランプを嘲笑していた人間達が、今度はクルーズの政治生命は昨夜で断たれたみたいな事を言っていることで、人間とはとことんアホだなぁ、と痛感させられる瞬間です。厚顔無恥というか、政治屋や政治評論家などというものは、とことん楽な商売だと思わざるを得ません。

クルーズは今後どう動く?

クルーズはトランプ支持は表明しなくても、トランプに投票することは表明しているので、反トランプキャンペーンに打って出る可能性は消えました。クルージ自身、トランプキャンペーンの今後の動きを注視すると言っているので、トランプ陣営が自滅することに期待しているのかもしれません。結局トランプの人間性が選挙の帰趨を決するので、クルーズが既にトランプが敗れると思っても何の不思議もありません。

クルーズは今後は静観を決め込むだけでいいので、かなり楽な立場にいます。トランプは選挙までの3ヶ月半、大統領としての資質がある事を、有権者に証明していかなければならないので、かなりきついスケジュールが待っています。クルーズにできる事があるとすれば、トランプがヒラリーに敗れることを祈り続ける事ぐらいです。

クルーズは2020年の大統領候補?

2016年の共和党大統領予備選挙で、トランプという怪物相手に、唯一善戦できたのがテッド・クルーズでした。なので、2020年はクルーズが共和党代表候補に選出されるのはdone dealです。2020年はクルーズがsouthern strategyで南部州で圧勝して、その勢いで予備選挙を制します。今回はサウスカロライナ州で躓いたので、戦略が台無しになってしまいましたが、2020年は同じ轍を踏む事はないでしょう。

とは言っても、2016年はJeb Bush(ジェブ・ブッシュ)の年と言われていたのが、蓋を開けてみたら、ドナルド・トランプの年だったので、クルーズが予備選で敗れる可能性もあります。クルーズに対抗でき得る対抗馬は、Marco Rubio(マルコ・ルビオ)か、ニューメキシコ州知事、Susana Martinez(スサナ・マルティネス)ぐらいですが、Scott Walker(スコット・ウォーカー)、あるいは、Corker Billに唯一反対票を投じたTom Cotton(トム・コットン)がdark horseの可能性があります。個人的には、2020年11月の時点で、43歳のコットンを応援していますが(クルーズは49歳)、新しいスターの誕生はあるかもしれません。

クルーズ大統領の可能性

Exclusive — Sarah Palin to Ted Cruz: Delete Your Career

Cruz’s broken pledge to support the will of the people tonight was one of those career-ending “read my lips” moments.

「クルーズの今夜の民意支持の公約反故は、あのキャリアエンディング”read my lips”モーメントの1つでした。」

Sarah Palin(サラ・ペイリン)は、今回のクルーズ騒動に対して上記のようなコメントをしています。career-ending “read my lips” momentsとは、ジョージ・H・W・ブッシュが1988年のRepublican National Convention(共和党全国大会)のacceptance speech(指名受諾演説)において、”Read my lips: no new taxes.”(よく聞いて下さい。増税はありません。)と言ったがために、1992年にビル・クリントンに敗れ、事実上政治生命を断たれた事に由来しています。今回のクルーズの裏切り行為が、彼のキャリアを終了させるかどうかは分かりませんが(もちろんトランプが勝てばそうなるでしょうが)、大きな賭けであるのは確かです。

クルーズ大統領の誕生は、11月の選挙でトランプが大惨敗を喫し、クリントン政権が大失態を演じるかどうかにかかっています。現段階では50/50と言ったところでしょうか。

バーニー・サンダースがヒラリー・クリントン支持を表明した民主党と、クルーズがトランプ支持を拒んだ共和党、この違いはかなり大きいのではないでしょうか。