トランプの親露政策(プーチン懐柔)が重大な危機を招く!?

トランプ氏がロシアとの関係改善を模索していることは、今や世界の常識になっていますが、そのトランプドクトリンを頓挫させようとしている勢力が台頭してきています。そもそも何故ロシアがアメリカの仮想敵国で有り続ける必要があるのか?トランプ氏はそこに大きな疑問を抱いたと言われています。敵はロシアではないという訳です。

保守派の中には、アメリカの真の敵はロシアではなくイスラムだと言っている人達もいます。トランプ氏もプーチン氏とタッグを組んで、イスラム過激派連中と戦うと言っているのですが、共和党員や軍関係者の多くが、この考えに疑問を投げ掛けています。

トランプ政権の中東政策

Listen Closely: Donald Trump Proposes Big Mideast Strategy Shift

He signals a break from Obama and Bush: ‘We will stop looking to topple regimes and overthrow governments’

「トランプは、オバマとブッシュからの決別を示唆しています。”アメリカは、体制崩壊や政府転覆を企てることを放棄するつもりでいます。”」

アメリカのregime change business(政権交代ビジネス、例えば、日本、ドイツ、イラン、イラク等で行われた政権交代劇)は第二次大戦からずっと続いている、アメリカの伝統ビジネスですが、トランプ氏はこの悪習から足を洗うと言っているみたいです。

He added: “We will partner with any nation that is willing to join us in the effort to defeat ISIS and radical Islamic terrorism…In our dealings with other countries, we will seek shared interest wherever possible and pursue a new era of peace, understanding and goodwill.”

「彼はこう付け加えています。”アメリカは、ISISとイスラム過激派によるテロ壊滅の試みに喜んで参加協力する意思がある、全ての国とパートナーになるつもりだし、アメリカと他の国々との関係においても、可能な限り共通の利益を追求し、新しい時代の平和・理解・友好を達成するための努力は惜しまないだろう。”」

この声明はかなりトリッキーで、まず、ISISを誰が支援しているかという問題が生じてきます。ISISは、シリアにパイプラインを通すために、トルコ、UAE、カタール、サウジアラビアなどのイスラム諸国が協力して作り上げた武装集団というほぼ真実だろう説もあり(Democratic Congresswoman Says U.S. Is Funding And Arming ISIS)、さらに言えば、世界中で無差別テロを引き起こしている、イスラム過激派達を誰が経済的に支援しているのかという、非常に大きな基本的な問題にぶち当たります。トランプ氏がイスラム過激派を根絶するためには、その深い根っこの部分を何とかする必要があると言われていて、それを達成することは、多くのイスラム諸国との対決を意味しているとの事です。

イラン問題

So teaming up with Russia and tolerating Mr. Assad in Syria to defeat Islamic State could have the unintended consequence of further empowering Iran—much as the war to topple Saddam Hussein in Iraq had the unintended consequence of clearing the path for expanded Iranian influence in the region.

「なので、イスラム国を壊滅させるために、ロシアとタッグを組んで、シリアのアサド政権を容認することは、イランをさらに強大にしてしまうという、予期せぬ結果を招いてしまう可能性があるのです。それは、イラクのサダム・フセイン政権を転覆させるための違法で無益な戦争が、その地域におけるイランの影響力を拡大するための道を切り開いてしまうという、予期せぬ結果を招いてしまった苦い過去の経験と非常に似通っています。」

プーチン氏やアサド氏と協力することは、言ってみると、イランと協力して、アメリカの同盟国である、サウジ、トルコ、カタール、UAEと、事実上、敵対関係になるということなのかもしれないという意見もあります。この辺の問題はかなり複雑で、トランプ氏もかなり頭を痛めるだろう事が予想されています。イランをどうするのか、そして、ロシアとイランの関係を、トランプ氏は変えることができるのか、それが問題のようです。

イランディール

At the same time, abrogating the nuclear deal with Iran risks undermining that potential new partnership with Mr. Putin. Mr. Putin supports that deal and its provisions ending international economic sanctions, and has moved in smartly to cash in. Russia is seeking deals on nuclear energy projects in Iran, and the Russian news agency reported last month that the two nations are discussing a $10 billion arms deal.

「それと同時に、イランとの核合意を一方的に反故にする行為は、プーチン氏との新しい協力関係を台無しにしてしまう危険性を孕んでいます。プーチン氏は、その合意とその中の国際的な経済制裁を解除するという条項を支持していて、既にイランとの取引を抜け目なく開始しています。ロシアは、イランでの原子力発電計画に関する取引を模索し、ロシアの報道機関が先月、両国が約1.2兆円もの武器取引を交渉中だと報告しています。」

トランプ氏は、恐らく、イランとロシアを手切れさせたいはずで、そういう理由もあっての、今回のレックス・ティラーソン氏の国務長官指名に繋がったとも言われています。トランプ氏がロシアとの協力関係を模索する理由は、対イスラム戦略にあり、トランプ氏が中東再編を真剣に考えているのかもしれないという人もいるほどです。

“If you end the Iran deal you’re going to end up with a lot of awkwardness and unpleasantness with Mr. Putin,” says Mr. Miller. As that suggests, the Middle East has a way of befuddling new American presidents and their best-laid plans.

「”イランディールを終わらせれば、プーチン氏との数多のわだかまりと不和をもたらす結果になるでしょう。”と、ミラー氏は語った。それが示唆しているように、中東は新しいアメリカ大統領と彼等の準備周到の計画を混乱させる傾向があります。」

中東問題や中東政策は、トランプ政権はあまりドラスティックに変えない方がいいだろうと警告されているし、さらにロシアとの劇的な関係改善を追求した場合、国内政治においてもかなりの大混乱をもたらす可能性が指摘されているので、中東、ロシアとの絡みに関しては、トランプ氏は余程慎重に事に当たらないと、かなりまずい、下手をすれば、取り返しのつかない、人類にとっての最悪の悲劇をもたらしかねないと心配されています。