Seven Days in May(五月の七日間)は、1964年にアメリカで公開された映画で、ソ連とアメリカの軍縮協議を発端にクーデターが勃発するという内容みたいですが、見ていないのでよく分かりません。ただ、アメリカが近い将来、この映画と似たような状況に陥るのではないかと一部の間で実しやかに囁かれています。
トランプ氏がジェームズ・マティス元中央軍司令官を国防長官に指名したことが、リベラルメディアを逆撫でしたみたいで、トランプ政権をjunta(軍事政権)扱いしています。
文民統制の原則は守るべき
マティス氏は退役してからまだ3年しか経っていないので、7年ルールに引っかかるみたいです(Trump’s Defense Pick Challenges Rules Regarding Civilian Control Of The Military)。議会でこのルールの免除を得る必要があり、8人の民主党員の賛同が必要なので、かなり微妙だと言われていますが、民主党員の中にもマティス氏ファンが結構いるみたいなので、最終的には、何とかなるだろうといった楽観論も存在しています。
この原則は、The National Security Act of 1947によって規定されているらしく、本来は退役してから10年ルールだったのが、2008年に7年に短縮されたようです。今までで、このルールを免除されたのは、1950年に、トルーマン大統領が国防長官に指名したジョージ・マーシャル氏(マーシャル・プランで有名な人です)だけみたいです。その時は朝鮮戦争中という事で、止むに止まれぬ事情があったのですが、今回のケースは、ただ単に、トランプ氏が、マティス氏の仇名である”mad dog(狂犬)”が気に入っただけみたいです。ジョージ・パットンのようだと、大のパットンファンであるトランプ氏の目には、マティス氏が、現代のパットンに映ったのではないでしょうか。マティス氏は、狂犬と呼ばれるよりも、戦う修道士(warrior monk)と呼ばれるのが好きみたいです(Why is Trump’s Secretary of Defense Pick James Mattis Nicknamed ‘Mad Dog’?)。
クーデターの可能性
文民統制の原則をないがしろにしたり、自身のブレーンをミリタリー出身者で固めたり、色々指摘されていますが、トランプ氏自身もミリタリースクール出身なので、ミリタリー贔屓なのは仕方ないとも言われています。ただ、トランプ氏の人選が、似たような主義・主張を持った候補に偏っているので、そのことを危険視している人達もいます(Trump’s general-filled Cabinet – a ‘team of allies’ – risks groupthink)。気の合う軍関係者同士が徒党を組めば、クーデターが起こりやすい土壌を作ってしまうみたいな感じです。
特に、現在のトランプ政権(移行チーム)が強力に推し進めようとしている親露政策は、議会の中の超タカ派達と、軍部の中の超タカ派達を結び付けてしまう可能性があり、トランプ政権の転覆を計画しかねない状況だと危惧する声も聞かれます。既にトランプ氏がプーチン氏の操り人形みたいな言い方をしている人も出てきているので、まぁ、それについては、実際に、ヒラリー氏が大統領選討論会において、トランプ氏はプーチン氏のパペットだと言い切っているのですが、今回の国務長官人事を巡って増々怪しまれています。
さらに、トランプ氏のビジネスが、アメリカの国防や利益を脅かす可能性も指摘され始めているので(Turkey threatening Trump’s business to sway policy)、自分のビジネスなどは、国益に比べたらピーナッツみたいなもんとか言っていた割には、国益よりも自分のビジネスを優先しそうな勢いなので、ある意味トランプ氏らしいとも言われています。
戦争回避のクーデター
台湾の一件にしても、中国を逆撫でして藪蛇で、第三次世界大戦なんていう事にも成り兼ねないという声もちらほら聞かれます(Trump is trying to use Taiwan as a bargaining chip with China. Bad idea)。トランプ氏の無知から来る暴走を止めるために、軍事クーデターが起こる可能性もあるような気もしますが、綱渡りの4年間であることはまず間違いなく、世界がトランプ政権下で生き残れれば奇跡だと言っている人も存在します。
中国、ロシア、イラン(中東)、北朝鮮と、トランプ氏がどうやってこの国々や地域とうまくやっていける(戦争を起こさずに)のかどうかに、世界の命運がかかっていると言われています。一部の間では、トランプ氏は中東で戦術核を使用するのではないかと、かなり恐れられていますが、いっぱいあるんだから使わないともったいない感覚で、トランプ氏が核兵器を使ってしまう可能性はないとは言えず、その時、もしかしたら、クーデターが起こるのかもしれませんし、起こらないかもしれませんし、何とも言えません。