芸術に興味を示す高尚な人間が増えれば社会は良くなる

芸術とかかわりを持つことが、経済的・文化的・政治的分裂に、社会が対処するための助けになることが、ケント大学の心理学者達による新しい研究が示唆しています。リンカーン大学の研究者達も関わっている今回の研究は、芸術が、社会的な協調性を呼び起こして、それを維持することが可能な、重要な社会心理的触媒の機能を果たせる証拠を提供しています。

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芸術への関与が向社会性を培う

Arts engagement can help counter divisions in society

Researchers used data from a national UK survey of attitudes to establish that people’s greater engagement in the arts predicts ‘prosociality’, whereby people were more likely to volunteer and give to charity over a two-year period.

研究者達は、人々の芸術との深い関わりが、2年の期間にわたり、人々が、ボランティアしたり寄付したりする傾向が強い、向社会性を予見することを証明するために、イギリス全国意識調査からのデータを利用しています。

Professor Dominic Abrams at Kent’s School of Psychology was the corresponding author on the research, entitled The Arts as a Catalyst for Human Prosociality and Cooperation, working with first author Dr Julie Van de Vyver at Lincoln.

ケント大学心理学部のドミニク・エイブラムス教授は、「人の向社会性と協調性のきっかけとしての芸術」と題された今回の研究の責任著者で、本研究の第一著者であるリンカーン大学のジューリー・ファンデフェイフェル博士と協働しています。

The researchers, who also worked with charity People United and were supported by grants from Arts Council England and the Economic and Social Research Council (ESRC), made use of data from the ESRC’s Understanding Society annual national longitudinal survey of 30,476 people in the UK.

慈善団体のPeople Unitedとも連携し、イギリス芸術協議会と経済社会学研究会議(ESRC)からの助成金によって援助されている研究者達は、英国内の30476人を対象に毎年行われる全国縦断調査であるESRCのUnderstanding Societyからのデータを活用しています。

芸術が人を慈善的にする

They found that engagement in the arts predicted prosociality ‘more strongly than a large set of demographic variables such as gender, individual resources such as personal income, core personality such as openness, and sports engagement’.

彼等は、アートへの傾倒が、性別、個人所得等の個別資源、寛大さ等の核となる人格、スポーツへの関わりなどの、大きな人口統計学的変数集合よりも、明確に向社会性を予測することを発見しています。

Commenting on the finding, Dr Abrams said that it was remarkable that ‘regardless of people’s age, education, employment and savings their engagement with the arts remained a stronger predictor of their prosociality than did any other variables’. Dr Van de Vyver said that ‘it is particularly impressive that people who engaged more with the arts two years earlier continue to show even greater prosociality now’.

今回の発見に言及して、エイブラムス博士は、年齢、学歴、職業、貯蓄に関係なく、人々の芸術との関わりが、他のどの変数よりも、人の向社会性に対する強力な予測変数であり続けたことは驚きだったと言っています。ファンデフェイフェル博士は、2年前に芸術にさらに深く関わっている人々が、現在、さらに高い向社会性を示し続けている事が、とりわけ、印象深いことであると言っています。

そもそも芸術に造詣がある人は、教養がある高尚な人達だと思われるので、そういう人が慈善的なのも自ずと頷けます。とは言っても、芸術家気取りの人間の中には、エリート意識がやたらと強い、インテリぶった非常に高慢な人種も混じっているのも確かです。芸術を愛でる余裕がある人は、人にも優しくなれる心の余裕があるのかもしれませんが、人々を芸術に関わらせることは、かなり困難であるように思われます。食も芸術だと考えれば、食事中に喫煙するような人間は問題があるような気がします。そういった意味からも、飲食店を全面禁煙にしない今の日本は、先進国とは到底言えないし、世界一のグルメ大国で、食を芸術の域に高めている懐石料理という食文化を持つ我が国は、こういった所からの意識改革が急務なはずです。

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