カルシウムが感染症に対抗するT細胞増殖用の糖使用を制御している

カルシウム信号は、免疫細胞が、侵入ウイルスと戦うようにデザインされている、細胞軍隊への増殖を後押しするのに必要な栄養素を使えるかどうかを調節しています。これが、ニューヨーク大学医学部の研究者達を中心とした、ヒト細胞とマウスを用いた研究の知見で、Immunityにオンライン掲載されています。本研究結果は、ウイルス感染に呼応した、T細胞による、正確で大掛かりな免疫反撃に関係しています。この種の白血球が、侵入者によって活性化されると、その侵略者を攻撃するように特異的に初回抗原刺激を受けたクローンの大群へと分裂・増殖します。

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カルシウムがT細胞増殖の鍵

Calcium lets T cells use sugar to multiply and fight infection

The current study found that whether or not T cells can use energy from blood sugar (glucose) to multiply depends on calcium flow into cells, a mechanism not previously recognized, say the authors.

今回の研究は、今まで知られていなかった機序である、T細胞が増殖のために、血糖(グルコース)からのエネルギーを使えるか否かは、細胞内へのカルシウムの流入に依存していることを明らかにしていると、本論文の著者達は言っています。

ストア作動性カルシウム流入

Upon receiving the right signal – which in this case is the recognition of virus particles – T cells open channels in their outer membranes, letting calcium rush in to activate the protein NFAT, a transcription factor that turns on genes, say the researchers. Specifically, the new study shows that a particular type of calcium influx – store-operated calcium entry (SOCE) – controls the activation of NFAT and its ability to turn on genes that control the uptake and breakdown of glucose.

適切な信号(この場合はウイルス粒子の認識)を受けると同時に、T細胞は、遺伝子のスイッチをオンにする転写因子であるタンパク質NFATを活性化するために、自身の外膜にチャネルを開いてカルシウムを流入させている、と研究者達は言います。具体的に言えば、今回の新しい研究は、特定型のカルシウム流入(ストア作動性カルシウム流入)が、NFATの活性化とグルコースの取り込みと分解をコントロールしている遺伝子をオンにするNFATの能力を制御している事を明らかにしています。

SOCEと酵素カルシニューリン

“Our results argue that SOCE, in cooperation with the enzyme calcineurin, regulates the conversion of glucose into cellular energy and building blocks needed for T cell proliferation,”

”我々の研究結果は、SOCEが、酵素カルシニューリンと連携して、グルコースの細胞エネルギーへの変換と、T細胞増殖に必要な構成要素を調節していることを主張しています。”

この新たな機序の発見は自己免疫疾患の治療にも応用できるみたいです。

カルシウム放出活性化チャンネル

“These results are timely because the field is currently exploring whether a drug class called CRAC channel inhibitors can be used safely against autoimmune and inflammatory diseases in human patients, and our study fills in key details on some of the relevant mechanisms,”

”これらの結果は、本分野が、現在、CRAC(calcium release-activated channel、カルシウム放出活性化チャンネル)阻害剤と呼ばれる薬物クラスが、自己免疫疾患・炎症性疾患の患者に安全に使用できるかどうかを研究中なことから、タイムリーとなっていて、我々の研究は、いくつかの関連メカニズムについての重要な詳細を提供しています。”

カルシウムは人体の健康維持において非常に重要な役割を果たしているようです。前回も、カルシウムが不足すると突然死のリスクが倍増するという記事について書いています。

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