junk science? 食うにも困る人間ほど肥満になりやすいという珍説

その買うを、もっとハッピーに。|ハピタス

肥満になる人は、昔から、ガツガツとよく食べるのにあまり動かない人と相場が決まっていましたが、最近の調査・研究によると、食べるにも困るような極貧生活に喘ぐ人ほど、どういう訳か、肥満になりやすいらしいのです。巷で問題になっているジャンクサイエンスによる珍説なのかと思ったので記事を読んで考察してみることにしました。

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食料不安と食料砂漠

この記事”UTSA researchers: Those with inadequate access to food likely to suffer from obesity“の中で、食糧不足が肥満の原因の1つであるらしいことが以下のように書かれています。

Using a national sample of adults across the United States, the UTSA researchers learned that individuals who are food insecure are at an increased risk of obesity. Study results also showed that the individuals who live in food desert are at an elevated risk for obesity. Together, these findings suggest that Americans who either do not have enough to eat or live in areas without access to stores that sell affordable nutritious foods are at greater risk for obesity.

「UTSA研究者等は、全米全国成人標本調査を用い、食糧不安が肥満リスクを上昇させることを見出しています。彼等の研究結果は、食料砂漠で生活している人々も肥満リスクが高まることを示しています。総合すると、これらの研究結果が、食べるのにも苦労していたり、安価な栄養のある食品を売っている店が近くにないエリアに居住しているアメリカ人が、肥満リスクがより高いことを示唆しています。

食料砂漠、もしくは、食品砂漠とは、食べ物を入手し難い場所に住んでいることを言うようですが、こういったところに住んでいると逆に痩せるような気がするのは私だけでしょうか。というのも、例えば、近所に食べ物を簡単に入手できる店舗が多いと、小腹が空く度に食べ物を買ってしまうので、肥満になりやすいように思えるからです。

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女性の方が食料不安から太りやすい

When taking gender and race into account, the researchers observed that women are more likely to exhibit obesity as a result of food insecurity, compared to men. This may be because women are more likely to shield their children from food insecurity by reducing their own nutritional intake. Overall, Black and Hispanic households are at a higher risk for food insecurity in the United States.

性別と人種を考慮した場合、研究者達は、男性に比べ女性の方が肥満になりやすいことを見出しています。これは、恐らく、女性が自身の栄養摂取を減らすことで食料不安から子供達を守る傾向が強いからだろうと思われます。総合的に、黒人とラテンアメリカ系アメリカ人世帯が、アメリカで食料不安に陥るリスクが高くなっています。

エンゲル係数が高い低所得者ほど肥満になりやすいのは何故なのか?
低所得者層ほどエンゲル係数が高いことは周知の事実となっています。可処分所得に占める彼等の食費の割合は高くても、そもそも所得が少ないことから、食費に使えるお金は少ないので食べるにも困る状態にあるはずです。従って、常識的に考えれば、低所得者層ほど痩せているということになります。さらに、低所得者は、世間一般的に、食事も食べる暇もないほど一日中働き詰めのはずなので、痩せていないとむしろおかしいという話になります。

黒人とヒスパニック世帯が食料不安になりやすいのは頷けますが、女性が子供を食料不安からシールドするために太るというのは首を傾げざるを得ません。というのも、自分の食料を子供に分け与えるとしたら、普通に考えれば、分け与えた人は痩せるはずだと思われるからです。よくよく調べてみると、これは、栄養や滋養のある高額な食品を子供に与える一方で、自分は安価で栄養も滋養もない高カロリーのジャンクフードを食べるからのようです。分かりやすく言うと、例えば、子供に100円のマックバーガーを与え、自分はポテチを食べて空腹を癒やすということです。アメリカはポテト関連製品は異常に安いので、成人女性の空腹を癒やすポテトチップスは、ほぼタダ同然(10円くらい)の価格と考えて差し支えありません。

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お金がなくてもヘルシーな食生活は送れる

栄養豊富で健康に良いとされている野菜や果物は高価なので、安価なジャンクフードや甘いお菓子を購入せざるを得ないというのは詭弁に聞こえてしまいます。何故なら、多少の手間暇を惜しまなければ安価で栄養豊富な健康的な料理はいくらでも作れるからです。しかしながら、怠惰な人間というのは、その少しの手間を惜しんで楽な方に流れてしまう傾向が強く、さらに、怠惰故に運動もしないので余計太りやすくなります。もちろん、怠惰や食べ過ぎが原因で太る人だけではないことは百も承知です。ここではあくまでも健康であるのにもかかわらず、運動もしない手間暇を惜しんでジャンクフードやファストフードばかり食べている人のことを言っています。アメリカの場合、低所得者層への支援が皆無の日本と違って、フードスタンプ(EBTカード)や食料バンクのような制度があるので、それが肥満に貢献している可能性もあるのかもしれません。しかし、何れにしても、お金が無くても、横着さえしなければ健康的な生活を送れることだけは確かです。

デブ差別:差別されるのが嫌なら痩せろや!は正論なのか?
人を、肌の色や年齢、性別、学歴、収入、社会的地位、身体的特徴、心身の疾患等で差別することは人として許されません。差別をする人間は人として終わっているので、そういう人間を差別しても全く問題ありません。しかしながら、肥満体型の人を批判することは、そもそも差別に当たるのか?という問題が存在します。今日はそのことについて考察してみました。
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