さすが孫さんとしか言いようがありません。マイクロソフトのリンクトインの買収とは比べ物にならない千里眼とも言えます。孫さんは、AIの将来性に確かな可能性を感じているのでしょう。今回の大型買収はソフトバンクの本気度をよく示しています。
孫さんはかつて、「これからはIoT、AI、ロボットだ」と豪語していましたが、まさにその通りだと思います。というか、そんなことは誰でも知っているのですが、それをどう商売につなげていくのか、それができるできないで、10年後の企業事情は大幅に変わってきます。
IoTにしても、AIにしても、ロボットにしても、それを動かしているのはCPUなので、今回のソフトバンクの英ARM社買収も頷けます。チップ作りから参加するという、ソフトバンクのAIにかける相当な意気込みが感じられます。
ソフトバンクがARM買収
SoftBank to acquire Arm Holdings for £23.4 billion: Report
In a move for towards the Internet of Things, SoftBank is set to bet big on Arm. The announcement is expected on Monday, and it would mark the largest acquisition of a tech company in Europe.
「IoTに向かうための動き中で、ソフトバンクはArmに対して大きな賭けに出ます。声明は月曜に予定されていて、欧州における最大のテック企業買収記録になります。」
一時は負債返済やヤフー買収が噂されていましたが、まさかARM買収とは思いもよりませんでした。前回もこの事について書いたのですが、孫社長のスケールのでかさには驚愕させられるばかりです。成功する人はやる事が大胆で、時代の一歩先を行っています。
ホンダとソフトバンクが共同開発
ホンダとソフトバンクは人工知能(AI)を使った自動車の運転支援システムを共同開発する。走行データのほか、表情や声のトーンから感情や嗜好を分析。行動パターンを推測し、運転手が欲しい情報を対話形式で迅速に提供する。車が学習しながら知識を蓄え、人のように会話したり作業を代行したりできる新たな仕組みを目指す。
ソフトバンクはAI事業に本格的に乗り出しているというか、社運を賭けているようなので、今後この分野での飛躍的な業務拡大が期待されています。
「京」後継機はARMアーキテクチャ
日本を代表する京の後継機はSPARCからARMアーキテクチャに変更されるのですが、今回のソフトバンクの買収で、スーパーコンピューター分野にもソフトバンクが出張ってくるのが、非常に興味深いです。
After conquering the iPhone, chip designer ARM chases supercomputers
Fujitsu has already adopted ARM processors for its next supercomputer, called Post-K, the successor to the SPARC-based K computer, which is ranked the world’s fifth fastest supercomputer by the Top500 list released last month. Fujitsu may use the new chip architecture being formulated by ARM.
「富士通は既にARMプロセッサを、先月発表されたトップ500リストで世界で5番目に高速なスパコンであるSPARCベースの京の後継機である、ポスト京と呼ばれる次世代スーパーコンピューターに採用する事を決めています。富士通はARMによって考案された新しいチップアーキテクチャを使うかもしれません。」
ポスト京は2020年からの稼働を目指しているようですが、このポスト京事業にソフトバンクが関わってくれることを期待せずにはいられません。人間並みの知能を持ったAIを作り出すには相当なCPU能力とプログラミング能力が要求されるので、国家総動員でAIで世界をリードできるように、本来であれば、国が音頭を取っていくべきなのかもしれません。
孫社長が引退できない理由が今回よーく分かりました。シンギュラリティがどうたら言い出した時は、何言ってんだこの御老体は?と思ったのですが、まさかここまで真剣にAI事業にのめり込むつもりだったとは、全く予想だにしませんでした。ソフトバンクにはAIで世界を牽引していく企業になってもらいたいもんですね。