今回はイディオム、an arm and a leg の意味と語源を例文付きで解説していきたいと思います。arm (腕、腕木、部門、武器、武装する、武器を供給する)、leg (足、もも肉、脚部、区間、急いで歩く)、この基礎的な2つの英単語が組み合わさることで、意味が全く異なるイディオムが誕生します。日本語にも手も足も出ないのようなフレーズが存在しますが、英語にもそれに近いフレーズが存在するのかと勘ぐりたくなります。ちなみに、arms and legs は、手足、四肢という意味になります。混同しないようにした方がいいですね。
This is costing me an arm and a leg.
これは私の手足の負担となっている。costは価格の事だけではなく、It cost his life. そして彼は鳥になった。みたいに物理的な損害も意味するから、この場合は、手足を犠牲にするくらい人生にかかわるのか、手足の負担となる程値段が高いのかどちらかの意味になるというのは容易に想像が付きます。It cost me a leg. それで私は足を失った、だけでなくこの使い方でも価格的負担を意味した使われ方がされていますし、その他にも、cost me a leg and an arm, cost me an arm, でも, 手足や手を失ったというよりも、高くつくみたいな感じで使われていて、順番が逆だし、短縮し過ぎだし、でもこういう使われ方が今後増えるのではないでしょうか。
何故、an arm and a leg, でぼったくりなのか?
このフレーズの語源には色々説があって、カメラの無い時代にポートレート(portrait)というか肖像画を描いてもらう時に手足まで書いてもらうと庶民ではとても手が出ないほどのぼったくり価格だったからだとか(基本的に人物画は王族、貴族、パトロンみたいな富裕層じゃないと無理だった)、大昔、刑執行時に罪人を苦しめないように足を引っ張る人間を高賃金で雇ったからだとか、泥棒が被害者を転ばせるために足をよく引っかけてたからだとか、諸説があるものの、個人的に一番可能性が高いのは、戦争で手足を失う兵士達を見て戦争はあまりにも代償が大き過ぎる、という至極当然の結論から来ているんだと思う。戦争は経済的にだけでなく人的にも高くつくという先人の戒めではないのだろうか。ぼったくり価格と言えば前回にも勉強した、cheap at half the priceというフレーズが思い出されます。