innovation(イノベーション)とrenovation(リノベーション)の意味の違いと、さらに invention(インベンション)との違いを詳細に調べてみました。この3つの単語は英語・米語ネイティブによって解釈の仕方が弱冠違うみたいで、辞書的な意味を見ていった場合、renovationには家や建物等の改築、改装、修繕というhome improvement的な意味以外にも生活や活動などに活気を取り戻すといったような意味合い含まれています。innovationは、(行為や工程を導入する際の)新しい考え、手段、方法という意味のほか、何か新しい物を披露するような意味合いが含まれています。renovationが元からある物に新しい命を吹き込む行為だとすれば、innovationは新しい物に命を吹き込む行為とも言えます。辞書的な意味は一応分かったのですが、これらの単語の意味をさらに深く掘り下げて調べてみたいと思います。
innovation と invention の違い
renovationとinnovationの明確な違いを調べる前に、inventionとinnovationの違いを調べる必要があるかと思います。非常に面白いサイトがあったので、そのサイトを参考にさせてもらおうと思います。Do Patents Truly Promote Innovation? と Patents Are Eating the World and Hurting Innovation の2サイトは対照的なサイトで、patent(特許)に関する見解が180度違っています。前者はパテントはイノベーションを促進させると言っているのに対し、後者はパテントはイノベーションを阻害すると主張しています。前者のサイトでも、最後の方で、patent troll (特許を餌に金儲けを企む)という言葉を出してはいますが、全体的なトーンはパテント擁護となっています。invention (発明)は特許を取得する事で、これは自分の発明という事を証明する行為で、innovationはその発明を叩き台に製品を開発することを意味します。patent trollの地雷を踏むことを恐れるあまり、企業や個人のイノベーションが阻害されているのは事実でしょう。
inventionの多くが実用性の乏しい物が多く、イノベーション無しには使い物にならない物ばかりという意見さえあるほどです(The Difference Between Innovation And Invention)。インベンションが新しいアイデアだとすれば、イノベーションはそのアイデアの実用化(製品化)とも言えるみたいです。invention (new idea) をパテントで保護し過ぎるあまり、イノベーションが阻害されることは、patent trollの得にしかならないといういうのが正論でしょう(Patent Trolls Ultimately Hurt The Consumer)。
renovation (リノベーション)意味
リノベーションの意味がはっきり言って一番ややこしいと言えます。古いものを新しく作り変えるという意味であることは間違いないのですが、home improvementという意味合いが非常に強いのが、そのややこしさの原因となっているためです。家のリフォームはリノベーションですが、家を取り壊して新築する行為はイノベーションなのか?と問われれば、そういうことにはならないと答えるしかないでしょう。かと言って、新築は明らかにリノベーションではありません。ソーラーパネルを張り巡らした家を新築する行為は、イノベーションと言えるかもしれません。新築も既存の住宅概念に縛られている間は、リノベーションの延長と考えるべきで、何か目新しい斬新さが無い限り、イノベーションとは決して言えないのです。例えば、地震対策に宙に浮く住宅を発明すれば、それはインベンションになります。耐震工法のイノベーションは地震大国日本では重要だし、耐震リノベーション(耐震補強工事)は必須とも言えます。リノベーションは既存の物の改築・改良という意味のほか、古い技術の使い回し、改善、改良という意味も含んでいることを次に見ていきたいと思います。
イノベーションとリノベーションの違い
innovation (イノベーション)と renovation (リノベーション)の違いは、光磁気ディスクで説明するのが一番分かり易いと思います。optical disc (光ディスク)のアイデアが発明(invention)されたのは1958年まで遡りますが、商品化(innovation)はそれから20年後の1978年12月に発売されることになる LaserDisc によって達成されます。インベンションがただのアイデアなのに対して、イノベーションは実用化を意味することからも、イノベーションの重要性が分かるかと思います。もちろん、インベンションがあればこそのイノベーションであることを忘れてはならないことは十分承知しています。レーザーディスクはパイオニアが1981年に日本で発売します。レーザーディスクは以後、リノベーションを繰り返す事で、2009年まで何とか生き残ることができたと言えるでしょう。その間、CD、DVD、Bru-Ray などのイノベーション攻勢により、市場規模は縮小の一途を辿っていくことになります。レーザーディスクのように、同じ規格を永らえさせる行為をリノベーションと捉えることができます。その一方でCD、DVDなどの新規格をイノベーションと捉えることができます(Product Development: Innovation vs. Renovation)。ちなみに、Bru-Ray規格に使われている Blue laser (diode)は日本人の発明(invention)です。標準速だったCD-ROMドライブを48倍速へ改良することは、当然リノベーションになります。同じ規格(技術)の使い回しや改良はリノベーションと考えて間違いありません。イノベーションは新規格や新技術の開発を意味します。