on hand, in hand, at hand, to handは、どれも似たような意味に思えますが、米語と英語の違いだけではなく、微妙なニュアンスの違いがあります。(何かが)手元にある。といった意味がこれら4つのイディオムに共通しています。dictionary (on, in, at, to)handは、どれも手元の辞書と訳して問題ありませんが、実際には、米語、英語による違いが存在します。
at handとto handの違い
この4イディオムの違いは、米語と英語で全く異なります。あるいは、ネイティブによっても異なると言えるので、国とその国の地域、あるいは、カナダ、オーストラリアも含め、かなりの地域差・個人差があるように思えます。このスレッドによると、米語ネイティブ達はdictionary at handとしか言わないと言っている一方で、英語ネイティブ達は、dictionary to hand以外に選択肢がないと答えています。このスレッドでも、英語ネイティブ達が、at handではなく、to handだと強く主張していますが、米語ネイティブ達は、米語では、at handが正しいと言っています。両者に違いがあるみたいなことを、アメリカ住まいの1人の英語ネイティブが指摘しています。
Ah, yes. “At hand” is similar, but implies that the thing in question is even closer than something which is “to hand”.
at handとto handの違いは、英語ネイティブによると、距離の違いのようです。to handに比べた場合、at handの方が、物がより近くに存在しているとのことです。
at handには、Victory at hand(勝利は目前)や、A new dawn is at hand(まもなく新しい夜明けを迎える)のような使い方もあります。さらに、near at hand, close at handで、すぐ近くにやもうすぐといったような意味合いになり、つまり、at handには、単に空間的な近さだけではなく、時間的な近さも含まれていることになります。
on hand, in hand to handの違い
このスレッドでは、“Please do not forget to keep your passport and boarding pass in/on hand“という文脈では、in handとon handのどちらを使うべきなのかを尋ねていて、1人の英語ネイティブが、inでもonでもなく、to handを使うと言っていて、in handとto handの違いを説明してくれています。英語ネイティブは、とにかくto handが好きみたいです。
You have to have them readily available – not necessarily in your hand at all times, but maybe in a convenient pocket or bag so that they can be produced quickly when asked for.
in handの場合、常に手の中に持っていることを意味し、to handは、すぐに取り出せるところにパスポートをしまっておくことを意味しているようです。つまり、to handは、手の届くところにを意味する一方で、in handは、手にして、手持ちのを意味するようです。
1人のニュージー英語ネイティブは、on handでもin handでも、どっちでも構わないと指摘していますが、その一方で、1人の米語ネイティブがon handは使わないと言っています。
I would not use on hand in this context. To me, on hand means in your possession, but not literally in your hand. “Keep plenty of sugar on hand for baking” is natural. “Keep your passport on hand” is not. A passport is not something you run out and buy; not something you stock up on.
Perhaps this is a BE/AE difference.
この文脈では、私ならon handは使いません。私には、on handは、文字通りに人の手の中にあるのではなく、人が所有していることを意味しています。パン焼き用に多くの砂糖を常に貯蔵しておくのは自然なことですが、あなたのパスポートを常に貯蔵しておくのは不自然です。パスポートというものは、不足したり購入したりする物でもないし、ため込む物でもありません。恐らく、このことは、英語と米語の違いなのかもしれません。
keep ~ on hand for A:A用に〜を備えておく
on handは、少なくとも、米語では、何かをため込んでおくといったニュアンスがあるようです。このスレッドでは、1人のイギリス英語ネイティブのto handに対する固執に対して、1人のカナダ英語ネイティブが異議を唱えています。とにかく、イギリス英語ネイティブ達は、to handしか眼中にないようです。
“To hand” is largely British English – not that there’s anything wrong with this, of course. North Americans are likely to be more familiar with “on hand”, which also means “readily available”.
“To hand”は、主に、イギリス英語ですが、だからと言って、もちろん、このことがどこかおかしいというわけではありません。北米英語ネイティブ達は、すぐに手が届くという意味も持ち合わせている、on handに慣れ親しんでいると言えるかもしれません。
少なくとも、1人のカナダ英語ネイティブにとっては、with this information in handという文脈においては、to hand, in handではなく、on handがふさわしいようです。しかし、1人の米語ネイティブが、この文脈では、With this information handyを使うと言っています。
(at, in, on, to)handではなくhandy
このスレッドで、I don’t have your letter on hand/at handの文脈では、onとatのどちらを使うべきかを尋ねていて、カナダ英語ネイティブがどっちも使わないと答えています。
Neither. I think that most people (AE-speakers, anyway) would say:
“I don’t have your letter handy”.
どっちも使いません。ほとんどの人達(少なくともアメリカ英語のネイティブ達)は、handyを使うと思います。”I don’t have your letter handy”のように。
これに対して、米語ネイティブは、真っ向からこの回答に異議を唱えています。
I disagree with part of that.
I’d be fine saying either “I don’t have your letter handy” or “I don’t have your letter at hand”
部分的に賛成しかねます。handyでもat handでもどっちでも問題ないと思います。
これに対して、カナダ英語とイギリス英語のネイティブは、at handは古臭い時代遅れの言い回しだと言っていて、英語ネイティブは、handyは口語ならいいが、文語の場合は、to handを使えと指摘しています。イギリス英語では、こういった文脈ではto handのようです。
ただ、”I didn’t have any milk on hand, so I drank my coffee straight.”のようなコンテクストにおいては、to handは使えないようです。to handは手の届く範囲に物があることを意味しているので、ストックがない場合は、イギリス英語の場合は、on handもto handのどちらも使わないと、1人の英語ネイティブが言っていて、単に、”I didn’t have any milk, so I drank my coffee black”を使うと言っています。ストレートのコーヒーとは言わずに、ブラックを使うとも指摘しています。ミルクなしの珈琲は、日本だとブラックですかね。クリープを入れない珈琲なんてというCMがありましたが、そもそも、珈琲はストレートで飲むものではなく、砂糖とミルクを入れて飲む物のようです。その点でクリープはまさに珈琲にはうってつけのスグレモノだと言えます。
in hand, on hand, at handの使い分け
このスレッドで、英語ネイティブが、in hand, on hand, at handを使い分ける方法を説明してくれています。この説明が一番しっくりくるように思えました。
data in hand = the data that we currently have
data on hand = available data
data at hand = easily available data
data in hand =今現在持っているデータ
data on hand =利用可能なデータ
data at hand = すぐに利用できるデータ
atはすぐ利用できるように、onは利用できるようにためこんだ、inは今持っている手持ちのというような意味合いがあると、他のさまざまなサイトでも指摘されています。cash-in-handで現金払いのという形容詞で、cash in handだと手持ちのお金(今手に持っているお金)という意味になります。cash on handは、手元にあるお金という意味で、例えば、銀行口座のお金や貯金箱、あるいは、ポッケの中のお金のことを指します。一方、issue at hand = 当面の問題とは言えても、issue on handとはあまり言わないようです。washingtonpost.comで検索にかけると、issue on handは3件しかヒットしません。issue at handは300件以上ヒットするので、issue at handを使うべきでしょう。
on hand = 出席して
keep ~ on handには、(緊急時に備えて)~を手元に置いておくという意味があると、前述していますが、on handには、出席して、側に待機するといった意味合いもあります。
Melania Trump will be on hand to support her husband during his first State of the Union address on Tuesday evening.
Melania Trump Will Attend Her Husband’s First State of the Union Address After Canceled Davos Trip
メラニア・トランプ夫人は、火曜の晩の、夫であるドナルド・トランプ大統領にとって初の一般教書演説の間、夫をサポートするために出席する予定でいます。
ダボス旅行をドタキャンしたメラニア夫人ではありますが、トランプ大統領の初となる一般教書演説には、夫を支えるために出席するようです。このように、on handには、出席してという意味もあります。さらに、近くに居合わせてといった意味合いも持っています。
Extra police will be on hand after rumored threat at BGHS
ボーリンググリーン高校への脅迫騒動により、追加の警官が周囲に配備される予定です。
この場合のwill be on handは、緊急事態に備えて、通常より多い警官が、生徒や教師の安全確保のために、高校の近くに居合わせるだろうといった意味になります。