形容詞としてのanotherは、 もう1つの、別の、ほかの、違った、いつもの、第二の、等の意味合いで使われます。He is yet another all talk, no action phony politician. 彼もご多分に漏れず口先だけで行動しないいんちき政治屋だ。ここでのanotherは、いつもの、といった意味合いで使われています。yet anotherで、またいつもの、といったうんざり感を出します。
all talk, no action = 有言不実行に対して、all action, no talk = 不言実行
another piece of the puzzle
another piece of the puzzle = パズルの新たなピースと訳すのが適訳のように思えます。
oxforddictionaries.comに、‘this will not be another Vietnam’という例文があり、
この戦争が第二のベトナムになることはない (新たなベトナムにはならない)
さらに、‘his wife left him for another man’という例文は、
彼の妻は別の男に走った (彼を捨てて新しい男の元へ去った)と訳せます。
つまり、another = newのように訳せるというわけです。
‘come back another day’は、別の日にまた来て、日を改めて出直して来て
この場合は、新たな日にのようには訳せません。anotherという英単語を訳す時は、前後関係が重要になるということです。紋切り型の訳があるわけではありません。
映画のDie Another Dayなら、もう一度死ねという意味になります。
live another dayについては、以下の記事を参照してください。
add another piece to the puzzle
add another piece to the puzzleとadd another piece of the puzzleの違いが以下で説明されています。
しかし、このサイトに、It adds another piece to/of the puzzle.という文があって、パズルにピースを加えることで、問題を一層複雑にしているという意見があります。
I have to disagree and say that “adding a piece to the puzzle” means to enlarge the problem, not shrink it.
adding a piece to the puzzleは、問題を縮小するという意味ではなく、問題を拡大することを意味していると、私は言わざるを得ません。
パズルに新たなピースを加えることで、問題が複雑化すると言っているっぽいです。
Though, that said, I can understand that the opposite also makes sense: to throw another piece into the puzzle is to add something that makes it more complicated, one more thing that you have to fit in.
しかし、とは言っても、逆もまた真であることは認めます。すなわち、新たなピースをパズルに投じることは、パズルを余計に複雑にする、はめ込まなければならないもう1つのピースを加えることにもなるからです。
ジグソーパズルを解く時、手持ちのピースを一つずつ埋めていくわけですが、add another piece to the puzzleは、新たなピースをパズルに加えるということで、パズルは一歩完成に向かいます。しかし、add another piece of the puzzleだと、手持ちのピースに新たなピースを加えるという意味になるので、つまり、パズルがより複雑になることを意味します。つまり、10ピースでパズルが完成すると思っていたら、ピースが11ピースに増えるという意味です。
そう考えると、前後の文脈によっては、新たなパズルのピースを加えると訳すより、パズルに新たなピースをはめ込むと訳すのが、より適訳であると言える時がある事になります。
Women survive crises better than men
“Our results add another piece to the puzzle of gender differences in survival,”
”我々の成果は、生存率の男女差のパズルに、新たなピースをはめ込みます。”
今回の結果は、生存率における男女差の謎の解明に一歩近づけています。とした方が、より意味がはっきりします。もちろん、パズルを事件としたら、ピースは物証になり、事件に新たな物証が加わったとも訳せますが、物証が1つ加わったとしても、必ずしも、事件解明に近付くことにはなりません。物証が腐るほどあっても、世田谷一家のように、17年経っても未解決の事件があることが、そのことを如実に物語っています。