Hikikomori (ひきこもり)が精神医学的に新たに定義される

日本のお家芸というか、日本人に特に顕著であるように思えるHikikomori(引きこもり)という現象が、国際的に新たに定義されようとしています。Hikikomoriという英語は既に多くの英英辞書に掲載されているのですが、医学的な見地からこの日本人特有の現象を定義しようという動きが広がりつつあるようです。

孤独、人が一人でいるのはまじで精神的にやばい
Psychological Science誌に掲載された新たな研究によると、人間は自分を気にかけてくれる近しい人の存在を知ることで、自分が社会的につながっているということを実感する手段として、物を擬人化する傾向に歯止めをかけることができるということです。本研究は、孤独を感じる人間が孤独でない人間に比べて、無生物を人間のように思い込んでしまう可能性が高いことを示す過去の知見を再現し、さらにその知見を広げています。
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Hikikomoriの辞書的定義

LexicoではHikikomoriは以下のように定義されている。

(in Japan) the abnormal avoidance of social contact, typically by adolescent males. A person who avoids social contact.

(日本の)主に若い男性による異常な社会的接触の忌避。社会との接触を敬遠する人。

辞書的な引きこもりの定義は、社会との接触を異常なまでに忌避する人間のことであるとなっています。通常は、これだけで十分なように思われるのですが、引きこもりをもっと精神医学的な見地から定義しようという試みが進められているようです、その新たな引きこもりの定義がどのようなものなのかを見て行きたいと思います。

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Hikikomoriは万国共通の現象

Hikikomori: New definition helps identify, treat extreme social isolation

Although hikikomori is typically associated with young adults in Japan, the researchers say many of the same criteria of extended social isolation apply to people around the world, including among older adults and stay-at-home parents. A simplified and clear definition will improve the recognition and subsequent treatment for people who suffer from the condition, the authors write.

ひきこもりは、通常、日本の若年成人と関連していますが、研究者は、長期にわたる社会的孤立の共通した基準の多くが、高齢者や出不精の親を含む世界中の人々にも当てはまると語っています。 単純化されたひきこもりの明確な定義は、その状態に苦しむ人々の認知とその後の治療を改善するだろうと著者等は書いています。

ニート・ひきこもり、社会不安障害の究極治療法
社会不安障害は昨今日本で急激に増えていると言われています。それだけ日本社会が病んでしまっている証拠なのですが、まさに貧すれば鈍するで、物質的に豊かになるのと反比例して心が貧しくなっていってしまった日本人(日本社会)の成れの果てなのかもしれません。心が貧しい卑しい人間が幅を利かせるようになり、純真な人が駆逐されてしまっているのが今の悲しい現実になってしまっています。そして、そのことがこの国を住みにくい国にしてしまっています。

引きこもりは日本人だけではなく、世界中の人々にも同じような現象が見られるようです。つまり、引きこもりは日本人特有の現象ではないということになります。ただ、高齢者や親にも引きこもりという定義が当てはまるのか、個人的にはいささか疑問な感が有ります。というのも、引きこもりという言葉を聞くと、真っ先に思い浮かぶのは、部屋に閉じこもってゲームばかりしているゲームオタクや、漫画やアニメばかり見ているアニオタを思い浮かべてしまうからです。とは言っても、ゲームオタクやアニオタの高齢者や親が存在するのも確かです。

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Hikikomoriの新定義

The article highlights four key aspects of the newly proposed definition of hikikomori:

* Confined at home: The proposed definition clarifies the frequency of time spent outside the home, while still meeting the definition of “marked social isolation.”

* Avoiding people: Some people choose to avoid social situations and interaction not because they’re anxious but because it meets their comfort level. The newly suggested definition therefore removes the avoidance of social situations as a criteria.

* Better defining distress: Many people diagnosed with hikikomori report that they feel content in their social withdrawal. However, as the duration of social withdrawal gets longer, their distress and feelings of loneliness increases.

* Other disorders: Co-occurring mental health conditions such as depression should not exclude patients from also being assessed for and diagnosed with hikikomori. “In our view, the frequency of co-occurring conditions increases the importance of addressing social withdrawal as a health issue,” they write.

この記事では、新たに提案されたひきこもりの定義の4つの重要な側面を強調しています。

*家に引きこもる:提案された定義は、「際立った社会からの孤立」の定義を満たしつつ、自宅以外で過ごす時間の頻度を明確にします。

*人を避ける:一部の人達は、不安があるからではなく、それが自分の快適さのレベルを満たしているために、人付き合い等の社会的交流を避けることを敢えて選択します。従って、新たに提案された定義では、社会的な交流の忌避を基準から省いています。

*苦悩の定義の改善:ひきこもりと診断された多くの人々は、社会からの孤立に満足していると報告しています。しかし、引きこもりの期間が長くなると、彼らの精神的苦痛と孤独感が増します。

*その他の障害:うつ病などの精神疾患の併発は、患者達をひきこもりの評価および診断から除外すべきではありません。 「我々の見解では、併存疾患の頻度は、引きこもりを健康問題として扱うことの重要性を高めます」と彼らは書いています。

世の中には、好きで社会から孤立する人間もいます。特に、日本のように渡る世間は鬼(サイコパス)ばかりの社会にあっては、その選択をする人間が多いのも当然の帰結であると言えます。なので、選択的な社会からの孤立をひきこもりの定義から省くのは妥当かもしれません。ひきこもりの定義は、家にどれくらい閉じこもっているのか、もしくは、週にどれくらい外に出ているのかの時間的な要素で判断されるべきかと思われます。

我が子がヒキニートにならないように子育ては周囲の環境が超大事
都会住まいは子供達の精神病体験に対する脆弱性を著しく高める可能性がある事を、キングス・カレッジ・ロンドンとデューク大学による新たな研究が明らかにしています。Schizophrenia Bulletin誌に掲載された今回の研究が、英国の主要都市で育った若者達がイギリスの田舎町で育った若者達と比べ、40%以上も精神病体験(幻聴や極度の被害妄想感など)を訴える傾向にあることを見出しています。
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ひきこもりは精神医学的問題

“There is a cultural issue within the house of medicine whereby we don’t pay attention to it and don’t think it is in our lane to deal with,” he said. “These are shared problems, whether it’s an 80-year-old Portlander who’s a meals-on-wheels recipient living by herself or an 18-year-old with hikikomori in Japan.”

「医学界内部には文化的な問題が存在し、それによってひきこもりに対して注意を払うことも、自分達が取り扱うものだとも思っていません。」と彼は語った。「それが、食事宅配サービスを受けている独居老女である80歳のポートランド住人であろうと、日本に住む18歳のひきこもりであろうと、社会的孤立とひきこもりは共通の問題となっています。」

social withdrawal (引きこもり)とsocial isolation (社会からの孤立)は、どちらも健康問題として扱うべきだと主張されています。社会からの隔絶が精神衛生に重大な弊害をもたらすためです。ヒッキーにしても独居老人にしても、社会から隔離された状態が続けば、やがては絶望的な孤独感・疎外感から精神的苦痛に苛まれることになります。記事では、ネットでの他社とのコミュニケーションが、直接的なコミュニケーションを阻害すると指摘していて、著者は、”Those person-to-person social relationships are a critical aspect of mental health.” (そういった直接接触する社会的関係は精神衛生の重要な側面となっています。)だと言っています。

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